2015年9月25日、ウツワノチカラ最後のうつわの寄付をしました。
場所は気仙沼市、面瀬中学校仮設住宅

被災地に赴いてうつわの提供をした、最初の場所でもあります。
2011年9月、避難所から仮設住宅への移転のタイミングで行った最初のウツワノチカラの際には150戸あった世帯も現在は100戸に。完全な撤去は平成30年の予定ですが、来年いっぱいにはほとんどの世帯が移転するとのことでした。
例年通り、自治会長の尾形さんご夫妻の他、面瀬のみなさんとご一緒にうつわの提供をしました。
みなさん楽しみにしていたとのことで、開始時間直後はすごい熱気!
家族の誰かのために、こんな料理のために、などお話しをながら、うつわを選んでいらっしゃいました。
また今回も震災直後のお話を伺う場面もありました。

贈り物であったり、毎日のように愛用していた陶器が津波に流されてなくなってしまったり、見つけても大量の泥にまみれていた為に回収できず、仕方なく手放してしまったことなど、現在の生活でのうつわの話と合わせてお話くださいました。
たかが物ではあるけれど、そこにはひとり一人の暮らしの記憶や想いがある。
多くの方々がそれを津波に根こそぎ攫われた、そして、だからこそ作家のうつわが歓迎されたのだと感じました。
仮設住宅から新居への移転も進んでいる今、すでに「支援」としてのうつわの寄付は必要ありませんが、作り手が作品と共に訪れることで、人が集まる場が生まれ、ほんの少しこの先の生活を期待を持って想像できる。そのきっかけを作り出すことが地域の方々のチカラになるのでは、と思います。
ものを作っていてもいなくても、ぜひ、復興途中の町に足を運んでください。
そのお手伝いを続けていくことが新しい「ウツワノチカラ」の活動になります。

※現時点で陶ISMでお預かりしていたうつわは、今回すべて面瀬中学校仮設住宅のみなさんにお渡ししました。
引き続き、ご協力をお願い致します。
陶ISM実行委員 今井梨絵
◎今回新たにうつわを寄付して下さった皆様
伊藤千穂さん・中村俊明さん、真由美さん・潮圭子さん
◎うつわ配布参加者
浅野秋児・久保田由貴・廣田哲哉・松下龍平・ジェシカウォン
二階堂明弘・栗谷昌克・井上塁・今井梨絵